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ASEAN域内移動の自由化加速 首脳会議が閉幕

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ブルネイの首都バンダルスリブガワンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が25日閉幕した。各国は国境を越えた人の移動の自由化を加速することで一致。ビジネス関係者のビザ免除制度や、域外観光客向けの複数国共通のビザを導入する。投資・サービスや観光の促進で域内競争力を高め、2015年末の発足を目指す「ASEAN経済共同体」の創設に弾みをつける。

加盟国首脳は2日間の協議で15年末までに新制度「ASEANビジネストラベルカード」の導入を進めることで合意した。域内を商用目的で頻繁に行き来するビジネス関係者を対象に交付。カード保有者は数カ月の滞在であればビザ取得の必要がなくなる。現在はミャンマーでビザ取得が必要なほか、他国も商用の入国・滞在は1カ月程度しか認めていない。

出張者は入国審査の際、長時間待たされることも珍しくなかったが、今後は専用レーンを使った簡単な手続きで済む。

インドネシアのマルティ外相は25日、同制度について「(対象を)域外国に広げる可能性がある」と語った。将来的な適用範囲を日中韓などに広げる可能性を示した。ASEANの複数国で生産・サービス拠点を持つ日本企業も対象になれば投資利便性が高まる。

また、観光客往来の自由化にも力を入れ、域内全域でのビザ免除を目指す。現在はミャンマーのようにビザ取得を義務付けている国もあるため、1度に複数の国を旅行する際にビザ申請が必要になるケースがある。

域外からの観光客には、複数国にまたがる共通ビザの発給を進める。先行して昨年末、タイとカンボジアが日本を含む35カ国・地域に対し、2国間共通ビザの発給を決めた。今後、ベトナム、ミャンマー、ラオスに拡大し、最終的には加盟10カ国に適用する方針だ。

ビジネス関係者や観光客の移動自由化はASEAN経済共同体の柱の1つ。共同体は物品貿易やサービス・投資の自由化など全62項目を設立の目標に掲げるが、サービス投資の自由化は遅れが目立つ。流通や建設、教育、不動産などの分野で、域内企業は70%以上の出資比率が認められるが、各国で細目が異なる。

ASEANは25日、経済共同体に向けた全目標のうち、77.54%が実現したと発表した。15年末に経済共同体を発足させるためには、各国が遅れが目立つ分野を早期に実行に移す必要がある。(バンダルスリブガワン=伊藤学)

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