福島党首「首相は社民を切り捨てた」
沖縄県の米軍普天間基地移設問題で政府方針への署名を拒否し、消費者・少子化担当相を罷免された社民党の福島瑞穂党首は29日午前、「私を罷免することは沖縄を切り捨てると同時に、社民党を切り捨てる、国民の信頼を切り捨てることだ」と述べ、社民党の連立政権からの離脱は避けられないとの認識を示した。都内で記者団に語った。
同時に「重要なことを決定するときは全国代表者会議か全国幹事長会議を開いて議論する」とも述べた。社民党は30日に臨時の常任幹事会、全国幹事長会議を開く。衆参両院の所属議員や地方組織の意向を踏まえ、連立離脱の是非や参院選の選挙協力のあり方などを協議し、党としての結論を出したい考えだ。
福島氏はこれに先立つTBS番組で「社民党としても重大な決意をしなければならない」と力説した。社民党内では、鳩山由紀夫首相による福島氏の閣僚罷免を受け、連立離脱論が強まっている。又市征治副党首は29日の読売テレビの番組で「福島を切ったのではなく社民党を切ったということなので、連立離脱が筋だ」と強調した。
福島氏は記者団に「私も社民党も全く変わったわけではない。変わったのは内閣の方だ」とも述べた。首相は普天間基地の移設先について「最低でも県外」と発言しながら結局、自らの約束を守らなかったとして、首相の対応を批判した。
夏の参院選に向けた民主党や国民新党との選挙協力に関しては「選挙協力は地域ごとで、トップダウンでやっているわけではない。協力の仕方も様々だ」と述べ、仮に連立離脱に踏み切った場合でも協力関係を維持することには含みを残した。
与党内の選挙協力を進めてきたことから、社民党内には参院選まで2カ月を切ったこの時期に協力関係を破棄することに慎重論もある。福島氏の罷免後、重野安正幹事長と民主党の小沢一郎幹事長は電話で選挙協力の維持を確認している。