首相、与党内調整に着手 日銀人事やTPP交渉参加
安倍晋三首相は25日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、次期日銀正副総裁人事の国会同意手続きに関する与党内調整を本格的に始める。日米首脳会談を踏まえた環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加表明に向けた協力も要請する。これに先立ち、自民党の石破茂幹事長と会い、野党の協力取り付けなどに関して対応を協議した。
首相は石破氏との会談で、日銀人事の国会同意に向けて「今は経済の重要な時期なので、丁寧にやっていかなければいけない」と述べ、手続きを丁寧に進める考えを示した。菅義偉官房長官は同日午前の記者会見で「安倍政権が掲げる大胆な金融政策が市場にもしっかり評価されている。そうしたことを推進できる体制をつくっていくことが一番大事だ」と述べた。
人事案は、与党が過半数割れしている参院で野党の賛同を得る必要がある。白川方明総裁が退任の意向を示している3月19日までに国会同意手続きを済ませるため、政府は週内に衆参両院の議院運営委員会に正式提示する方針だ。
首相は石破氏との会談で、日米首脳会談で合意したTPPに関する日米共同声明の作成に至った経緯などを説明。首相は「自民党の中でもいろんな意見がある。丁寧に党内調整してほしい」と指示した。
首相は25日夕の党役員会で今後の対応に関して政府一任を取り付けたい考え。政府内には28日に予定する衆参両院での施政方針演説で参加を表明する案もある。ただ党内には慎重論が根強い。自民党の外交・経済連携調査会(衛藤征士郎会長)は27日に会合を開く予定で、例外品目をあらかじめ明示すべきだとの意見が出る可能性もある。