高速新料金、再度見直し 小沢氏「値上がり説明できぬ」
政府・民主党は21日の首脳会議で、前原誠司国土交通相が9日に発表した高速道路料金案を再度、見直すことを決めた。「休日上限1000円」などの割引を廃止するため、大部分が値上がりするはずだったが、民主党の小沢一郎幹事長が「有権者を説得できない」と見直しを求め、鳩山由紀夫首相が応じた。首脳会議に出席していない国交相は強く反発しており、重要政策を巡る迷走がまたしても表面化した。
平野博文官房長官が国交相に再見直しを指示する。6月に予定していた新料金への変更が先送りされる可能性が出てきた。
国交相が発表した新料金制度は車種別に曜日や時間帯を限らずに、上限料金制を導入することが柱。上限は普通車が2000円、軽自動車が1000円などだった。休日の利用を中心に、実質的には値上げとなる利用者が多いとみられたため、参院選を前に与党議員らが見直しを求めていた。
政府は料金割引に充てていた財源を道路建設に流用することを認める道路財政特別措置法改正案を今国会に提出。国交省は改正案成立を前提に、料金割引に1.2兆円、道路やインターチェンジなどの整備に1.4兆円を充てる計画案を策定していた。民主党の山岡賢次国会対策委員長は21日の首脳会議後、記者団に「(料金割引分の)1.2兆円を増やすことになる」と述べ、建設に充てる財源を料金割引に回す方針を示した。
国交省内には「民主党が建設を求めたから値上がりの料金となった。料金改定を参院選後に先送りしたいだけではないのか」という批判もある。