国民年金納付率が最低更新 低収入の若者増
11年度
厚生労働省は5日、2011年度の国民年金保険料の納付率が58.6%となり、過去最低を更新したと発表した。低下は6年連続。20~30歳代を中心に収入が低く保険料が払えない若者が目立っている。納付率の低下が続けば制度の維持が難しくなりかねない。
納付率は90年代半ばの80%台を最高に低下が続いている。10年度は59.3%で、2年連続で60%を下回った。年齢別の納付率は、55~59歳が71.8%と最も高い。若年層になるほど納付率が低くなり、25~29歳が46.1%と最低。30~34歳でも49.6%となり、初めて50%を割り込んだ。
非正規労働者のうち保険料を完納した人の比率は30%程度で、自営業者の半分程度。安定収入がなく、月額約1万5000円の保険料を払えない人が多いとみられる。
厚労省は「若い世代で非正規労働者が増えており、納付率の低下要因になっている」という。制度維持には80%の納付率が必要とされる。収納対策に加え、信頼感を取り戻すための制度改善が急務になっている。