政府、閣議の議事録作成へ 公文書管理法を改正
政府は4日、閣議の議事録を作成、保存するため、公文書管理法を改正する方針を固めた。閣議や閣僚懇談会について議事録の作成を義務付け、議事録は30年間非公開で保存。その後、国立公文書館などで公開する。早ければ15日召集予定の臨時国会にも提出する。
内閣制度が創設された1885年以来、閣議の議事録作成を定めた規定はなかった。議事録を作ることで詳細な内容が漏れることに懸念が根強かったためで、公務員による機密漏洩を厳しく処罰する特定秘密保護法案が制定されれば、こうした危険が減ると判断した。
秘密保護法案に関する公明党の会合で政府側が説明した。政府側は閣議の議事録の一部は秘密保護法案が定める特定秘密の対象になると指摘。特定秘密を扱う公務員らの個人情報を調査する「適性評価」の対象者は外務省や防衛省、警察庁などの国家公務員で約6万4千人に上るとした。
東日本大震災後、原子力災害対策本部など政府の主要な会議で記録がないことが問題視された。民主党政権は昨年10月、検討チームが閣議で議事録を作成することなどを盛り込んだ報告をまとめていた。