原子力災害ロボを公開 高い放射線量でも活動可能
福島第1で活動へ
日本原子力研究開発機構は21日、放射線量が高くて危険な場所でも計測活動ができる原子力災害ロボットJAEA-3号を、原子力緊急時支援・研修センター(茨城県ひたちなか市)で公開した。福島第1原子力発電所の事故現場に投入される見通し。
同県東海村の臨界事故を機に開発された情報収集ロボットを、同機構が福島原発事故用に改造。放射線への耐性に優れ、ケーブルで外部電源とつながっているため、高線量下で作業員が入れない原子炉建屋内でも長時間の活動が可能になった。
また、空気中の放射性物質を採取したり、数十メートル先の放射線量を測定したりする機能も備え、約50メートル離れた場所から作業員が遠隔操作する。積算で数百シーベルト以上の放射線量にも耐えられるという。同機構福島支援本部復旧支援部の川妻伸二技術主席は「福島の役に立つよう、事故現場で頑張ってきてほしい」と話した。
同機構は既に、がれきを処理しながら放射線量を計測するJAEA-1号と、高線量への耐性があるJAEA-2号も開発している。〔共同〕