ツイッターで価格情報 スマホでアウトレット攻略
家電、賢者の買い物術(2)
旧モデルとなった型落ち品や、店頭展示品、メーカーが初期不良品などを修理・整備して再販売するリファービッシュ品などの新古品を専門的に取り扱うのが、家電量販店のアウトレット店舗である。
上新電機(ジョーシン)は関東や関西を中心に10店舗以上、ベスト電器は九州や北海道を中心に20店舗以上を展開している。首都圏では、ビックカメラが都内と横浜市に計3店舗、ヨドバシカメラが川崎市に1店舗を置く。
アウトレット店舗には、一般店舗に並んでいた店頭展示品、倉庫に残った型落ち品、メーカーから仕入れた型落ち品やリファービッシュ品、配送時にキャンセルされた開封品などが集められる(図1)。どういった製品を取り扱うかは各量販店の方針で異なるが、いずれの製品も割安な価格で販売される(図2)。
入荷情報や価格情報をお店が発信
「ヨドバシアウトレット京急川崎」の場合、店頭展示品や型落ち品は「ヨドバシの一般店舗で売られていた価格に比べて2割程度は安い」(美澤修店長)。状態がいまひとつの製品や、発売がかなり前の製品などはさらに割安になり、なかには一般店の最終売価の半値以下になる製品もある。
割引幅が大きい店頭展示品は1台限りのものが大半で、お得度の高い製品は「朝に来店したときにはあっても、夕方にもう一度来たら売れている、というケースがよくある」(美澤氏)。在庫が潤沢な新製品と違い、アウトレット店舗では即断即決の姿勢が重要だ。
買いたいと思った製品がどの程度得なのか、その場で調べられるようにスマートフォン(スマホ)やタブレットを持っていく。現行品の新品価格やネット通販での価格と比べたうえでなら、納得して買えるだろう(図3)。
アウトレット店舗は、「いつどんな製品が入り、いくらで売られるのかが非常に流動的」(ビックカメラアウトレット池袋東口店の柳沼佑希店長)。頻繁に足を運べば、掘り出し物に出合える可能性が高まるが、それが難しければ、店がネットで発信する入荷情報や価格情報を随時チェックするといい。
ビックカメラは、「入荷のタイミングに合わせ、1日に10~15件の製品情報をツイッターとフェイスブックで発信する」(柳沼氏)。ヨドバシもツイッターを活用している。そうした情報を見て早めに店舗に向かえば、買い逃しは少なくなるだろう。
店頭展示品では白物が狙い目
型落ち品や店頭展示品、開封品には新品と同様のメーカー保証が付くので、安心して価格メリットを追求できるのがいい点だ。配送サービスや設置サービスも一般店と大きく変わらない。
状態のいい製品を割安で買いたい場合、店頭展示品では冷蔵庫や洗濯機、炊飯器といった白物家電がまず狙い目だ。展示中は電源を入れていない場合が大半で、ほとんど消耗していない製品が新品より2~3割程度安く買える。開封品はアイテムを問わず、新品同様ながら相当に割安になるものがある。
型落ち品は、製品サイクルが速いテレビやパソコンが年間を通して安く売られている他、「エアコンや暖房器具などの季節家電も時期によってお得感が強まる」(ジョーシンアウトレット浦安店の藤尾克美店長)という。
"最新モデル主義"の人でも、アウトレット店舗を一度のぞけば、買い物への意識がきっと変わるはずだ。
(日経トレンディ 小谷真幸)
[日経トレンディ2013年3月号の記事を基に再構成]