ソニー、海外の電子書籍から完全撤退 楽天系が継承
ソニーは8日、欧州とオーストラリアの計4カ国で展開する電子書籍配信事業から撤退すると発表した。6月中旬に4カ国で電子書店「リーダー・ストア」を閉鎖。楽天子会社のカナダkobo(コボ)が利用者や購入済みの書籍を受け継ぐ。ソニーは3月に北米の事業をコボに移管しており、今回で海外から完全に撤退する。
英国、ドイツ、オーストリア、オーストラリアから撤退する。スマートフォン(スマホ)やタブレットで書籍を読める電子書籍事業を、4カ国では2012年以降に提供していた。
ただ、対応端末が限られるほか、米アマゾン・ドット・コムの端末「キンドル」などに押されていたもよう。各国での顧客数などは非公表。ソニーは日本国内では電子書籍事業を継続する方針だ。
コボは400万冊以上の電子書籍などを配信。コボへの移管でソニーの専用端末「リーダー」の利用者らは、購入できる電子書籍が大幅に増える見通しだ。ソニーの一部のスマホやタブレットにコボの無料アプリも搭載する予定。コボは世界に2千万人の利用者を抱え、ソニーから事業を受け継ぐことで顧客基盤を拡大する。
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