対馬の仏像盗難で男拘束 韓国警察、被害品を回収
【ソウル=共同】昨年10月に長崎県対馬市の神社や寺から仏像などが盗まれる事件があり、韓国の警察は30日までに、仏像を盗んで韓国に持ち込み売りさばこうとしたとして、文化財保護法違反の疑いで韓国人の男(69)を拘束、4人を在宅で立件し仏像を回収したと発表した。
警察によると、男らは共謀し昨年10月上旬、対馬市にある海神神社の国指定の重要文化財「銅造如来立像」と観音寺の長崎県指定の有形文化財「観世音菩薩坐像」、多久頭魂神社の仏教経典「大蔵経」を盗み出し、博多港から韓国南部・釜山港に持ち込んで韓国内で売りさばこうとした。
韓国文化財庁が鑑定し、盗難品と確認されれば関連法に基づき返還措置などを取る見通し。ただ、仏像はいずれも朝鮮半島で作られ日本に渡っており、略奪されたものでないかなども検討するとしている。
警察によると、仏像は時価計約150億ウォン(約13億円)相当。男らは大蔵経について「神社周辺の野山に捨てた」と供述しているという。