常磐道、3年ぶり再開通 広野~常磐富岡間の16キロ
東日本大震災で通行止めになっていた福島県内の常磐自動車道・広野インターチェンジ(IC)―常磐富岡IC間(16.4キロ)が22日、約3年ぶりに再開通し、地元首長らが地域再生の支えとなる高速道路の復活を祝った。これで大震災による高速道路の通行止めはすべてなくなった。
同日午前、広野IC近くの高速道路上で県などが主催する式典があり、佐藤雄平知事は「県の復興に弾みがつく。重要な一歩だ」とあいさつ。太田昭宏国土交通相は「常磐道が一日でも早く全線で開通するよう、全力で取り組む」と述べた。その後、出席者らが記念の植樹やプレートの除幕式を行った。
この区間が通れるようになったことで、東京電力福島第1原子力発電所の周辺地域から避難している住民が一時帰宅しやすくなる。第1原発に通う作業員の車などによる国道6号の混雑も緩和される見通しだ。
大震災の揺れで、区間内では盛り土の崩落や路面の損傷が100カ所以上で起きた。区間全体が原発事故に伴う警戒区域に入ったため約1年間放置され、東日本高速道路会社は2012年3月、復旧工事に着手。12月には国が除染を始めた。
震災時に整備中だった常磐富岡IC―南相馬IC間の建設工事はこの春から本格化し、全線の開通は15年度以降になる。