「33人は国民の手本」 チリ落盤、現場で建国式典
【リオデジャネイロ=共同】南米チリは18日、建国200周年を迎え、各地で記念式典が開かれた。地下約700メートルに作業員が閉じ込められた北部コピアポ郊外の鉱山落盤事故の現場での式典では、政府当局者が「鉄の意志、魂を持った33人の英雄はチリ国民にとっての手本だ」とたたえた。
地上のテント村「希望」で33人の救出を待ちわびる家族や、地下の退避先にいる作業員らはこの日正午、同時に国歌を歌い、建国記念日を共に祝った。
地元メディアによると、作業員らには"国民食"といわれるミートパイ「エンパナーダ」などが差し入れられた。作業員らはお祝いのワインを求めたが、医師の判断で見送られ、清涼飲料水が届けられた。
鉱山での式典には、家族ら100人以上がバスで駆け付け、33人の顔写真や署名入りの国旗がテント村の脇に掲げられた。19日にはピニェラ大統領が視察で現地を訪れ、肉親の生還を待つ家族らを励ます。
チリでは1810年9月18日にスペイン支配に対抗する自治政府が誕生した。
ゴルボルネ鉱業相は18日までに「(救出が)少し早まるかもしれない」と語り、これまで11月初めまでにとしていた救出予定時期が前倒しになる可能性を示唆している。