仏列車脱線、ポイント部品に不具合 整備不良か
【パリ=共同】パリ南方で起きた都市間特急の脱線事故で、フランス国鉄(SNCF)は13日、現場のレールのポイント部品に不具合があったことを明らかにした。同国メディアが報じた。
6人の死者を出した事故は整備不良が原因だった可能性が高まった。SNCFは全国で同種の部品の安全確認を実施すると発表した。
これを受け、SNCFのペピ社長は13日、「(事故の)責任は国鉄にあると考えている」と述べた。運転士や運行管理担当者の人為ミスの可能性は否定している。
SNCFによると、脱線はエソンヌ県ブレティニシュルオルジュ駅の手前200メートルにあるポイント通過の際に発生。初期段階の調査の結果、ポイントにあるレールをつなぐ金属部品が本来の場所から外れ、列車の車輪の通過を妨げる位置にあったという。
SNCFはこのポイントの安全点検を今月4日に実施したとしている。事故があったレールは時間帯によっては3分に1本と列車の通行本数が多かった。
列車は通過駅を規定の時速150キロを下回る時速137キロで走行しており、キュビリエ運輸担当相はスピードの出し過ぎとの見方を否定。SNCFの安全担当責任者も「運転士が異常発生後すぐに他の列車を緊急停止させる措置を取ったため、他の列車の衝突など二次災害を防げた」とし、運転士の対応に問題はなかったと強調した。
ブレティニシュルオルジュ駅では13日、横倒しになった車両を重機で立て直す作業が始まった。列車運行を3日間停止し、捜査当局と運輸省、SNCFの3者がそれぞれ原因究明を進める。