ホームレス月収、10分の1の4000円 5年前比
厚労省調査
廃品回収などによるホームレスの平均月収は約4千円で、5年前の10分の1に落ち込んでいることが2日までの厚生労働省の調査で分かった。仕事をしていないホームレスの割合は3割から4割に上昇。厚労省は「長引く景気低迷と雇用情勢の悪化が影響しているのではないか」と分析している。
5年ごとに実施するホームレス実態調査で、今回が3回目。今年1月、約1300人から聞き取り調査した。
仕事をしているホームレスの月収は「1千円以上~5千円未満」が66.2%で最も多かった。「1万円以上」は6.2%にとどまり、平均月収は約4千円となった。07年の前回調査は1万円以上が8割を超え、平均月収は約4万円だった。
仕事の内容は大半が廃品回収で、ほかに日雇いの建設作業員など。仕事のないホームレスの割合は39.6%で、前回調査の29.6%から10ポイント上昇した。
ホームレスの高齢化が進んでいることも裏付けられた。前回の平均年齢は57.5歳だったが、今回は59.3歳となった。
炊き出しなどの支援を受けるホームレスが増えているとみられ、厚労省の担当者は「調査結果を分析し、支援策につなげたい」と話している。