NY株反落、終値170ドル安 欧州株安でリスク回避
【NQNニューヨーク=川内資子】25日の米株式相場は4営業日ぶりに大幅に反落。ダウ工業株30種平均は前日比170ドル89セント(1.5%)安の1万1149ドル82セントで終えた。ドイツなど欧州株式相場が総じて下落したことを受けて欧州の債務問題への懸念が強まり、米株市場でも売りが優勢となった。
欧州株式相場は買い先行後、米東部時間の午前中ごろに急速に下げに転じた。目立った材料はなかったが、米市場では「欧州相場の下落は同地域での債務懸念の強まりを映したもの」とみる市場参加者が多いといい、運用リスクを避ける目的で米株を売る動きが優勢となった。
26日のジャクソンホールでのバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、持ち高調整の売りが出たとの指摘もあった。ダウ平均の下げ幅は210ドルを超える場面があった。
一方、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社が出資すると発表した米銀大手バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が大幅に上昇。金融株全般に買いが波及し、朝方に米株相場は高く推移する場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同48.06ポイント(1.9%)安の2419.63で終えた。業種別S&P500種株価指数では全10種が下落。「エネルギー」や「一般消費財・サービス」の下げが目立った。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約12億1000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約17億6000万株だった。
前日に経営手腕に定評があるスティーブ・ジョブズ氏が最高経営責任者(CEO)を退任したアップルは小幅安。四半期決算で主力部門の営業利益が悪化した米食肉加工大手のホーメル・フーズは大幅安。ダウ平均構成銘柄では保険大手トラベラーズや化学大手スリーエム(3M)の下げが目立った。
一方、バンカメ株は9%の大幅高。