「GoTo東京、高齢者ら自粛を」 首相が都知事と会談
菅義偉首相は1日、首相官邸で東京都の小池百合子知事と会談した。観光需要喚起策「Go To トラベル」について、高齢者や基礎疾患がある人に東京発着分の利用の自粛を促すと合意した。新型コロナウイルスの重症化リスクがある65歳以上や糖尿病などを抱える人が対象になる。
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首相は「国と都がしっかり連携し、感染拡大を何としても阻止することで一致した」と述べた。会談後に記者団に話した。小池氏は「(トラベル事業の)停止を要請し、いろいろ考えて自粛という結論に至った」と述べた。都幹部によると、都側は当初、全世代での停止を求めたが、事業全体への影響が大きいことから、対象を絞った自粛で決着した。
小池氏は「重症化しやすい高齢者を、どう感染しないようにするかにポイントをあてた」と説明した。自粛期間は、都内の飲食店などに時短営業を求めた期限に合わせ、17日までとした。
西村康稔経済財政・再生相は1日の記者会見で「キャンセル料が利用者に発生しないようにする」と語った。事業者にも配慮し、観光庁が制度設計すると説明した。
専門家で構成する政府の新型コロナ対策分科会は、感染状況を判断する4段階の指標で2番目に深刻な「ステージ3」に相当する地域を「Go To」の対象から外すよう提言してきた。分科会の尾身茂会長は11月25日に東京23区をステージ3に相当すると例示した。
感染が広がる札幌、大阪両市を目的地とする新規予約は既に15日までトラベル事業による割引から外し、両市を出発する旅行の自粛も要請している。都内でも感染が再び広がり、医療体制が逼迫する懸念が出ていた。
政府はトラベル事業から一部地域を除外するかは知事の要請に基づいて判断すると説明してきた。小池氏は「全国的な視点が必要で国が判断すべきだ」と語っていた。
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