ベルリンで大規模デモ、警官隊が放水 コロナ法改正に反対
【ベルリン=石川潤】新型コロナウイルス抑制を目指す法改正に反対する大規模なデモが18日にドイツの首都ベルリンであり、警官隊と衝突した。デモには極右や、厳しい行動制限に反発する市民などの数千人が参加した。警察は放水車を投入し、多数を逮捕した。

デモ参加者は法改正を議論した国会議事堂に近いブランデンブルク門の周辺などに集まった。笛を鳴らして気勢をあげる参加者にはマスクを着けていない人が多く、感染防止のための適切な距離も取れない状況だった。
警察はデモの解散を求めたが、参加者が応じなかったため、放水に踏み切った。ベルリンでは8月、デモ参加者の一部が議事堂への侵入を試み、極右を象徴する旗を振り、社会に衝撃を与えた。
デモが起きるきっかけは、18日に上下両院を通過した感染症予防法の改正だ。マスク着用の義務付けなどの法的な根拠を明確にする狙いだが、政府の権限を強めるとの反発があった。極右の一部からは1933年にナチスが成立させて独裁への道を開いた全権委任法に重ねた批判も聞かれた。
ドイツは11月初め、飲食店の営業禁止などを含む部分的なロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったが、新規感染者はなお1日あたり2万人前後で高止まりしている。多くの市民は行動制限を支持しているが、先が見えない事態への不満や不安が広がっているようだ。