「なろう」が変える小説家への入り口
「一億総小説家時代」――そういっても過言ではない状況が、いま生まれつつある。それをもたらしているのはインターネットだ。
誰でも自作の小説をネットに投稿し、公開できるサイト「小説家になろう」。現在72万作もの作品が掲載されている巨大な文芸プラットフォームだ。投稿も閲読も無料で、面白い小説はないかと毎日多くの人々がサイトを訪れ、月間のページビューは25億にものぼる。
小説家になりたい人が増えている...
最近、「文学」を読んでいますか? 夏目漱石や村上春樹もいいけれど、いま新しいトレンドが生まれ、若い世代の心をつかんでいます。ボーイズラブ(BL)の作家が書いた小説が有名な文学賞を受賞したり、ユーチューバーの自伝がベストセラーになったり。ネット上の「小説投稿サイト」からも新しい才能が続々と現れています。2020年の空気を映す「令和ブンガク」。躍動するその最前線をルポします。