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送金サービス「サブスク」も選択肢 日銀リポート

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送金サービスのサブスクリプション(定額課金)化も一案――。日銀は10日、銀行の預金口座の維持手数料に関するリポートを公表した。預金口座にひもづく送金サービスを経済活動に不可欠な社会インフラと指摘。安定的に維持し利用者の満足度を高めるため、基本料金を取ったうえで毎回の送金手数料を無料にするといった手法も選択肢になるとした。

リポートは、日本では口座維持手数料がないため多くの人が口座を持ちやすい利点がある半面、銀行は固定費をまかなうために毎回の送金手数料などを高めに設定しがちだと指摘した。結果的に、社会全体で十分なメリットを得られていない可能性があるとした。

このため預金口座にサブスクリプションの考え方を取り入れるのが選択肢との考え方を示した。具体的には(1)定額課金制にして毎回の決済サービスは無料にする(2)電気やガス、水道のように基本料金を取ったうえで利用量に応じて料金を取る「二部料金制」――などだ。遊園地を例に入園料が無料でも乗り物料金が高いと、運営側は十分な利益を得られず利用者も不満を抱く結果になりかねないとした。

インターネットバンキングの普及で預金者はスマートフォンで預金口座の残高や入出金情報を確認できる。ただこうした照会の裏側で銀行はシステム会社に手数料を支払っている。本人確認などの規制対応に伴うコストも増しており銀行の決済事業の採算は悪化している。

リポートではこのまま採算の悪化が続けば、社会インフラとしての決済サービスの安定性が損なわれるおそれがあるとしている。ただし、決済サービスの利便性の改善を伴わずに口座維持手数料の導入を急げば「予想以上に口座解約が発生する可能性もある」と指摘。「十分な戦略性と慎重な検討」のうえで個別に判断すべきだとした。

超低金利環境を背景に銀行の収益は悪化している。これまでのように貸し出しや余剰資金の運用であげた利益で決済サービスの低採算を補うのが難しくなっている。このため一部の銀行は不稼働の預金口座に管理手数料を導入する検討を進めている。日銀は口座維持手数料の導入の是非は低金利環境とは切り離して考えるべきことだとしている。

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