JR西社員、認可なく仮設踏切設置 国の認可書偽造
JR西日本は29日、金沢支社に勤める30代の男性社員が、国土交通省の認可が必要な在来線の線路の改良工事で認可書を偽造するなど計43件の不正が見つかったと発表した。今後、厳重処分するとしている。国交省は同日、鉄道事業法に基づき金沢支社を立ち入り検査した。
JR西によると、認可書の偽造が発覚したのは、2017年9月~19年2月に石川県と富山県で行われた踏切の拡幅工事2件。社員は設計確認の担当で、仮設の踏切を設置した際、本来必要な認可を受けていなかった。
19年9月に国交省北陸信越運輸局と打ち合わせした際に判明し、社内調査に不正を認めた。動機について「認可の手続きが間に合わず、工事が遅れると思った」と説明したという。
この社員はほかに、社内の手続きに必要な設計確認書の偽造や未作成が37件、工事に必要な他の鉄道事業者の同意を取っていないケースも4件判明した。他の社員の不正は見つからなかったという。
JR西は「このような事象を発生させ、おわびする。国土交通省の指導も踏まえ、再発防止を図る」と謝罪した。