トランプ氏「天安門再来なら貿易交渉困難」 中国けん制
香港デモの人道的解決要求
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は18日、香港での「逃亡犯条例」の改正案をきっかけにした抗議活動に関連し「天安門(事件)のように再び武力を使えば、取引が困難になる」と述べ、デモに武力介入すれば米中の貿易交渉の継続が難しくなるとの見方を示した。中国政府が1989年に軍を投入して民主化運動を弾圧した天安門事件にあえて言及し、人道的に事態を解決するよう習近平(シー・ジンピン)指導部を強くけん制した。
ニュージャージー州の空港で記者団に語った。トランプ氏は習氏について「優れた能力の持ち主であり賢い」と持ち上げたうえで、香港のデモについて「人道的に解決してほしい」と強調し、「そうすれば貿易交渉に追い風になるだろう」と指摘した。習氏に対してデモ隊の指導者と直接対話するのが望ましいとの考えも改めて示した。
習氏との電話協議の有無や予定などについては「その件に関してはコメントしない」と答えるにとどめた。トランプ氏は15日に習氏と近く電話協議すると説明していた。中国政府は香港でのデモを米国があおっていると非難している。
トランプ氏は中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を巡って「安全保障上の理由から取引は好ましくないと思っている」と指摘した。
米メディアはファーウェイに対する一部の米国製品の禁輸措置の猶予期間を90日間延長すると報じている。これに対し、トランプ氏は「報道は少し異なっていると思う」と語った。猶予期間の延長の是非について「あす(19日に)決断する」とも説明し、結論に含みを持たせた。
ファーウェイに対する猶予措置は19日に期限切れを迎えるため、米政権は延長するかどうかの判断を迫られている。
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