風疹予防接種3年無料に 抗体検査も、39~56歳男性
厚生労働省は11日、風疹の新たな対策として、子供のころに予防接種の機会がなかったために特に感染リスクが高いとされる39~56歳男性を対象に2019年から約3年間、免疫の有無を調べる抗体検査とワクチン接種を原則無料にすると発表した。

国立感染症研究所がまとめた今年の患者数は2千人超。米国が予防接種や感染歴のない妊婦に対して日本への渡航自粛を勧め、訪日客の減少も懸念される状況で、政府が危機感を募らせ感染拡大防止にようやく本腰を入れた。
年明け以降、準備が整い次第、居住する市町村の医療機関で検査と予防接種が受けられるようにする。また職場の健康診断で検査したり、休日や夜間に医療機関で接種したりできるよう関係団体に協力を求める。
新対策では、1962年4月2日~79年4月1日に生まれた男性の予防接種を、2022年3月末まで法的な定期接種に位置づけ、原則無料とする。ワクチンの不足を防ぐため、対象者にはまず抗体検査を求め、この費用も原則無料とする。
国内で風疹の免疫がある人は92%とされるが、この世代の男性は約80%と低い。国は今回の対策で20年の東京五輪までに85%以上に引き上げ、21年度末には90%以上とすることを目指す。世界保健機関(WHO)によると、流行を阻止できる集団免疫という状態になるには85%が目安で、どの世代も達成する必要がある。
〔共同〕