国連総会が開幕、27日に安保理で北朝鮮議論も
【ニューヨーク=高橋里奈】第73回国連総会が18日午後(日本時間19日未明)、ニューヨークの国連本部で開幕した。エスピノサ議長(エクアドル出身)は開会式で「国連をすべての人に関係あるものにする」とあいさつし、男女平等や移民・難民問題、環境問題などに優先的に取り組むと抱負を述べた。27日には安全保障理事会でポンペオ米国務長官が議長となり北朝鮮の核問題を議論、全加盟国に制裁の徹底履行を訴える見通しだ。
開幕にあたり、グテレス国連事務総長は「平和維持活動や男女平等、若者の活躍推進、貧困と紛争を終わらせるための行動が必要だ」と発言。「分裂の時代に世界はこの総会に国際協調の価値を見せるよう求めている」と各国の外交官に多国間主義の重要性を訴えた。
25日から始まる一般討論演説にはトランプ米大統領や安倍晋三首相など190人以上の首脳や閣僚が登壇、国際問題について各国の取り組みや政策を訴える。世界から首脳が集結する機会をとらえ、日米などの2国間協議も多く催される。
米国が議長の安保理では、トランプ氏が26日に大量破壊兵器の不拡散をテーマにした会合を主催する予定だ。27日にはポンペオ氏が議長として、北朝鮮問題を巡って閣僚級会合を開く。安保理では非核化の具体策が明らかになるまで圧力を維持したい米国と、融和路線のロシアの対立が深まっており、米ロ対立が表面化しそうだ。
日本は中米カリブ海の島国アンティグア・バーブーダとともに結核の流行を終わらせるためのハイレベル会合を26日に主催する。差別の根絶や研究開発の改善、資金確保などの結核対策を盛り込んだ宣言を採択する見通しだ。
このほかミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの迫害を巡る会合や、パレスチナ難民の支援会合など国際問題を扱うイベントが開催される。