プロ野球もeスポーツ ドラフトで選手指名、コナミとNPB
Jリーグに続き、プロ野球もゲーム対戦競技「eスポーツ」に参入する。コナミデジタルエンタテインメント(東京・港)と日本野球機構(NPB)は19日、eスポーツのプロリーグを設立すると発表した。ドラフト会議で選手を指名するなどリアルのプロ野球と同じように運営する。リアルのスポーツ団体が新しいファンの開拓にeスポーツを活用する動きが広がってきた。
「既存のファンに加え、野球ファン層の拡大につながることを期待する」とNPBの斉藤惇コミッショナーは19日都内で開いた発表会で語った。プロリーグ「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」はNPBとコナミが共同で開催する。コナミの野球ゲーム「実況パワフルプロ野球 2018」でプレーヤーが腕を競う。
7月末に始まるオンライン予選や面接などを経て選手を36人に絞る。9月にはプロ野球の12球団が3人ずつドラフト会議で指名する。11月からはプロ野球と同じようにセントラル・リーグとパシフィック・リーグに分かれてペナントレースを行う。両リーグの代表チームは19年1月に開かれる「e日本シリーズ」で対戦し、日本一のチームを決める。
プロリーグに参加する選手にはプロモーションに協力する報酬として総額1200万円を支払う。優勝チームの選手には一人177万円支払う予定だ。チームの成績の他にもMVPや首位打者など個人の成績に合わせた報酬も用意する。コナミはプロリーグに合わせて無料版のゲームを25日から配信する。オンライン予選は15歳以上であれば誰でも参加できる。大会の様子はネット上で配信し、大会のスポンサーも募集する。
NPBは野球ゲーム以外のeスポーツについても検討しているという。eスポーツ大会に球団の名前やロゴが登場することで、野球観戦をしたことがないプレーヤーなどに興味を持ってもらう。野球振興の一つの手段としてeスポーツを活用する。
8~9月にインドネシアのジャカルタで開催されるアジア競技大会(アジア大会)でeスポーツ大会が開かれる。19年に茨城県で開かれる「いきいき茨城ゆめ国体」でも文化プログラムとして競技会が実際される予定だ。22年に中国の杭州で開かれるアジア大会で正式種目となることが決まっており、将来オリンピックの正式種目への採用も期待されている。