慰安婦財団、理事5人辞意 運営停止の可能性も
【ソウル=共同】従軍慰安婦問題を巡る2015年末の日韓合意に基づき韓国政府が設置した「和解・癒やし財団」の理事8人のうち、民間の5人全員が辞表を提出していたことが30日、関係者の話で分かった。辞表は26日付。文在寅大統領は28日、慰安婦問題は日韓合意では解決できないと表明しており、財団の運営が事実上停止する可能性がある。
財団は昨年7月、理事長を含め11人で発足し、今年春に2人が辞任。5月に文政権が発足、7月には鄭鉉栢女性家族相が財団に否定的な立場から「事業の点検」を表明し、金兌玄理事長が辞任した。残る3人は政府派遣の職員ら。
5人の辞表は、康京和外相直属の作業部会による27日の日韓合意検証結果の発表に先立ち提出された。財団関係者は30日、検証結果が日韓合意や財団に対して否定的なものと予想されたとし、「朴槿恵前政権下で就任した理事陣は退くべきだと判断した」と述べた。
財団は、日本政府が拠出した10億円を財源とした元慰安婦や遺族への現金支給を担当。女性家族省によると、合意発表の時点で存命だった元慰安婦47人のうち36人が、受け取ったか受け取る意思を示した。