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トランプ氏、再びドル高けん制「強くなりすぎだ」

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【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領は12日、米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)のインタビューで「ドルは強くなりすぎている。最終的には害をもたらす」と述べ、改めてドル高相場をけん制した。円ドル相場は北朝鮮問題などの地政学リスクで円高・ドル安に傾いているが、米大統領の異例の通貨高けん制は市場の波乱要因となりそうだ。

トランプ氏は1月20日の大統領就任前後にも「われわれの通貨は強すぎる」などとドル高をけん制したことがあった。2月中旬に側近のムニューシン氏が財務長官に就任すると、通貨政策への発言は控えていたが、再び大統領自らドル高けん制に動き出した。

トランプ氏は12日に「ドル高はとても良い面がいくつかあるが、最終的には害をもたらす」と主張。「ドルが強すぎて、他国が通貨安誘導をしていれば、(米企業は)競争するのが極めて難しくなる」と述べた。支持率が低迷するトランプ氏は、米企業の輸出拡大に向けて対外圧力を強めており、為替相場に再び矛先を向け始めた。

トランプ氏は米連邦準備理事会(FRB)の金融政策にも言及し「正直になろう。私は低金利政策がとても好きだ」と言明した。選挙戦中に批判を繰り返したイエレン議長に対しては「尊敬している」と述べ、来年2月の任期切れ後の続投も否定しなかった。FRBは利上げペースを加速しているが、イエレン氏は引き締めに慎重な「ハト派」として知られる。

中国を「為替操作国」に指定して報復措置を課すとしてきた選挙公約は事実上撤回した。トランプ氏は「中国は何カ月も為替操作をしていない」と述べ、月内に米財務省が公表する「半期為替報告書」で操作国との認定を見送る考えを示した。為替問題で中国との摩擦が強まれば、北朝鮮政策を巡る米中協力に影響するとの認識もみせた。

主要国通貨に対するドル指数は今年1月初頭に14年ぶりの高値をつけた。その後はトランプ政権への政策期待の低下などでやや下落していたが、引き続き十数年ぶりの高値圏で推移している。ドル高はトランプ氏が目指す米企業の輸出拡大に逆風となるだけに、米政権は神経をとがらせている。

日米両政府は18日、都内で麻生太郎副総理・財務相とペンス米副大統領による初の経済対話を開く。経済対話では「為替問題は協議の枠外だ」(日本の財務省幹部)としているが、トランプ氏のドル安志向は鮮明だ。米国は貿易赤字の削減策を日本に求めており、円ドル相場にどこまで言及するかも焦点となる。

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