フィリピン、人口1億人突破 高成長支える
フィリピン政府の人口委員会は27日、同国の人口が1億人を突破したとの推計を発表した。フィリピンの人口は2010年時点の国勢調査で約9234万人だったが、年に約2%ずつ増えている。毎分3人の子供が生まれているとの推計に基づく計算で、27日に1億人を突破したという。
フィリピンの人口は13年時点で世界12位。東南アジア諸国連合(ASEAN)では人口2億5千万人のインドネシアに次ぐ大国だ。平均年齢が23歳と、ベトナムなど周辺国に比べ圧倒的に若く、労働力が経済成長を押し上げる「人口ボーナス」が当面続くとされる。
国連の人口中位推計によると、フィリピンの人口は28年に1億2300万人に達して日本を追い抜き、91年まで増え続ける見通し。人口と英語力を武器にフィリピン人は世界中で外貨を稼ぎ、13年の実質国内総生産(GDP)成長率は前年比7.2%と高かった。
ただ、貧しい家庭ほど子供の数が多い傾向がある。国民のほとんどがカトリック教徒で、避妊が認められていないことが一因だ。アキノ政権は12年、貧困層の増加に歯止めをかけることが全体の経済成長につながるとして、避妊を認める家族計画法を成立させた。
(マニラ=佐竹実)