クルド自治政府、独自に石油輸出か イラク政府との合意に反し
【ワシントン=共同】イラク北部のクルド自治政府が中央政府との合意に反して、独自に石油輸出を始めたと10日付の米紙ワシントン・ポストが伝えた。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討に向けて両者の連携が必要とされる中、溝が深まる恐れがある。
中央政府とクルド自治政府は昨年12月、対立の原因だった石油輸出問題で合意。自治区外にあるキルクーク油田などで産出された石油に関して自治政府が中央政府を通して輸出し、中央政府が必要な予算を配分することになっていた。
同紙によると、クルド側は日量平均50万バレルの石油を中央に渡していたが、取引は先月、完全に停止。クルド側は既に日量60万バレルを独自に輸出しているという。
自治政府関係者は取材に対し、中央政府から支給される金額が取引した石油量に見合わず、ISと戦う戦闘員の給与などを支払うためにも「経済的な自立」を迫られたと説明している。