NY商品、原油続伸 需給の引き締まり観測で 金続伸
【NQNニューヨーク=川上純平】11日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は3日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の1月物は前日比1.70ドル(2.5%)高の1バレル70.29ドルで取引を終えた。欧州がロシアの石油輸出に対して追加の制裁を科す方向だと伝わった。ロシアからの原油供給が細り、需給の引き締まりにつながるとの見方から買いが入った。
ロイター通信は11日、欧州連合(EU)の使節らがロシアに対して追加制裁を科すことで合意したと報じた。ロシアが石油取引の制裁回避に利用している「影の船団」を抑制する狙いがあるという。実際に適用されればロシア産原油の供給が減るとの観測が広がった。
一方、石油輸出国機構(OPEC)は11日に発表した石油市場月報で、2025年の世界の需要見通しを引き下げた。前年からの伸びの予測を日量154万バレルから145万バレルに見直した。経済成長が鈍化している中国で需要が伸び悩んでおり、原油先物相場の重荷になった面がある。
ニューヨーク金先物相場は4日続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である2月物は前日比38.3ドル(1.4%)高の1トロイオンス2756.7ドルで取引を終えた。11日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想に沿った内容で、米連邦準備理事会(FRB)が来週に追加利下げに動くとの見方が改めて意識されたことから金の先物に買いが向かった。