福岡・沖ノ島 世界遺産に 8資産すべて登録
【パリ=白石透冴】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第41回世界遺産委員会は9日、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)の世界文化遺産への登録を決めた。日本政府が推薦していた全資産が登録された。国内での登録は5年連続、21件目。5月にユネスコの諮問機関のイコモスが資産の半分について除外勧告をしていたが、一転して一括登録となった。
ポーランドの古都クラクフでの審議で決めた。福岡県宗像市の沖ノ島と3つの岩礁(小屋島、御門柱、天狗岩)のほか、除外勧告を受けていた宗像大社沖津宮遥拝所、同中津宮、同辺津宮、新原・奴山古墳群(同県福津市)が一括で登録された。全資産の登録を求めてきた地元関係者にはうれしい結果となった。
イコモスは5月、「古代祭祀の記録を保存する類いまれな収蔵庫」と沖ノ島の価値を認める一方、宗像大社辺津宮など4資産は「国家的なものであり、地域や世界的な価値とは認められない」と除外を勧告していた。日本政府や福岡県など地元自治体は全資産の登録を求めていた。