日立製作所、ガラス片に映画1～2本分　3億年保存可能

日立製作所と京都大学は20日、5センチ角のガラス片に映画1～2本分にあたる情報を3億年以上保存できる技術を開発したと発表した。特殊なレーザー光で石英ガラスの内部に小さな穴を空ける手法を発展させ、従来の約6倍の情報を書き込む。貴重な情報を後世に伝える取り組みの一環。公文書や文化財の長期保存に向けて3年後の実用化を目指す。

5センチ角で厚さ8ミリのガラス片に6ギガ（ギガは10億）バイトの情報が入る。面積あたりの容量はブルーレイ・ディスクと同じだ。

情報を蓄える機器は半導体や光ディスクが普及している。石英ガラスは熱や放射線に強いが、記録できる情報量が少なかった。研究チームはレーザー光の向きをレンズで調整し、ガラスの深い部分も記録できるようにした。市販の光学顕微鏡で読み取る。

2次元バーコードに変えた映像や文章のデータの他、点で描いた絵や文字も書き込める。