機械受注、7月4.9%増 基調判断を上方修正
内閣府が12日発表した7月の機械受注統計によると、民間企業の設備投資の先行きを示す「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比4.9%増の8919億円となり、2カ月連続のプラスとなった。鉄鋼業や通信業からの受注がけん引した。内閣府は基調判断を6月の「足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に上方修正した。
基調判断の上方修正は2015年10月以来、9カ月ぶり。「持ち直し」の表現を使うのは今年4月以来となる。6月に航空機などの大型受注があったため、7月の受注額の民間予測は3.1%減(中心値)と反動減が見込まれていた。
業種別にみると、製造業は0.3%増で2カ月連続で増えた。17業種中、9業種でプラスだった。輸送用機械などで6月に大型案件があった反動減が生じたが、鉄鋼業や金属製品の業種から発電用機械などの受注が好調だった。
非製造業は8.6%増で、2カ月連続で増加した。通信業からネットワーク機器、金融業・保険業からはシステム機械などの受注が伸びた。SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「IT(情報技術)関連業種がけん引役となり、徐々に底打ちしていく」と分析する。
海外からの受注動向を示す外需は11.7%減で、2カ月ぶりに落ち込んだ。円高が輸出関連企業の懸念材料になっているが、内閣府は「内需が支えており、外需の弱さや円高で設備投資が落ち込むという影響はそれほどみられない」と指摘している。