経常黒字8%増 7月、原油安や円高影響
財務省が8日発表した7月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は1兆9382億円の黒字だった。前年同月に比べて8.0%増え、7月としては過去最高の黒字幅になった。原油安や円高で輸入額が減って貿易黒字を押し上げた。一方、自動車などの輸出が振るわなかった。
経常黒字は25カ月連続だった。経常黒字を増やす大きな要因となった貿易収支は6139億円の黒字だった。赤字だった前年同月から一転して高水準の黒字となった。
輸入額は26.0%減の4兆9375億円だった。原油安に加え、前年同月に比べて円高が進んだことも影響した。輸出額も15.7%減の5兆5515億円だったが、輸入額の減少幅が大きかったため、差し引きした貿易収支は黒字に転換した。
サービス収支は2223億円の赤字だった。赤字額は前年同月より7.5%増えた。赤字拡大の要因は特許の使用料などを示す知的財産権等使用料の減少。円高で海外から受け取る収入などが目減りした。訪日外国人客の増加で旅行収支は比較可能な1996年以降で7月として過去最高の黒字。海外の企業から受け取る配当などの第1次所得収支は1兆6938億円の黒字と、前年同月から23.6%減少した。