養育費の不払いに対策、法務省が法改正検討
法務省は12日、離婚後に取り決めた養育費の不払いが横行していることから、裁判所が債務者の財産を差し押さえる「強制執行」について定めた民事執行法を改正する検討に入った。支払い義務があるのに養育費を払わない債務者の預金口座の有無を銀行に照会できる制度を設ける方針。債務者の口座がある支店が特定できれば強制的に養育費を回収できる。
金田勝年法相が同日、法制審議会に諮問した。養育費の不払いはひとり親世帯の貧困の一因になっており、制度の改善が必要と判断した。
法務省は民事執行法の改正で、裁判所による不動産競売から暴力団を排除するための方策も検討する。競売で最高額を入札した人が暴力団に該当しないかを警察に照会し、判明した場合は売却を不許可にする案を法制審で議論する。
離婚などで離ればなれになった「子の引き渡し」の強制執行のあり方についても新たな規定をつくる。現在の民事執行法に明文規定がないため。
法務省は一連の民事執行法改正案を2018年以降の早い時期に国会に提出したい考えだ。