アジア進出企業、「賃金上昇が問題」69% ジェトロ調査
日本貿易振興機構(ジェトロ)は22日、アジア太平洋の20カ国・地域に進出する日系企業(有効回答4635社)へのアンケート調査結果を発表した。経営上の問題点を「従業員の賃金上昇」と回答した企業の割合は69%に上った。カンボジアやミャンマーなど後発国で上昇が目立つ一方、中国は上昇率が鈍化した。
2015年度の賃金昇給率が前年度と比べて最大だったのが13.6%増のカンボジア。同国をはじめ、インドネシアやミャンマーなど7カ国が2ケタ増を記録した。
一方、中国ではかつて賃金昇給率が毎年2ケタペースで上昇してきたが、15年度は7.6%増にとどまった。中国の経済減速に伴い賃金上昇にも一服感が出てきた。
16年度の賃金昇給率はミャンマーが10.9%増で最大となる見通し。インドネシアとパキスタンも2ケタ増を見込む。日系企業の進出先が後発新興国に広がる中、賃金上昇の波も拡大しているようだ。中国は16年度は6.7%増を見込む。
調査は15年10~11月に実施。北東アジア5カ国・地域、東南アジア9カ国、南西アジア4カ国、オセアニア2カ国に進出する日系企業9590社にアンケート調査を行い、4635社から回答を得た。