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最少遺伝子の細菌作製 米チーム、生命の起源に迫る

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【ワシントン=共同】生命活動を維持するのに必要最小限のゲノム(全遺伝情報)だけを持った細菌を人工的に作ることに成功したと、米国のクレイグ・ベンター博士らのチームが25日付の米科学誌サイエンスに発表した。

自己複製できないウイルスなどを除けば、自然の中にいるどの生物よりも遺伝情報や遺伝子の数が少ないという。ベンター博士は「生命の起源や進化の謎に迫る成果だ」と話している。

生物の遺伝子を改変して役に立つ化学物質などを作らせようとすると、膨大な数の遺伝子との相互作用で、思わぬ結果となる可能性もある。最小限のゲノムしか持たない細菌を使うと、遺伝子改変の影響が予測しやすく、研究を効率的に進められる利点があるという。

ベンター博士らは2010年、人工的に作ったゲノムを用いて細菌を作製することに成功した。実在する細菌のゲノムを再現したため、情報を記録する塩基対は約100万個、遺伝子は900個以上あった。

この細菌から特定の塩基配列や遺伝子を取り除いたり、機能を失わせたりして、生命の維持や成長、自己複製に悪影響が出ないかを調べた。

特に悪影響が発生しない部分を除外していくと、必要不可欠なものとして約50万対の塩基配列、473個の遺伝子が残った。ただこれらの遺伝子の中には、どんな活動を担っているか、全く不明な遺伝子が65個含まれていたという。

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