京都の石清水八幡宮、国宝に 文化審議会が答申
文化審議会は16日、石清水八幡宮本社(京都府八幡市)を国宝に、旧網走監獄(北海道網走市)など8件を重要文化財に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。近く答申通り指定され、建造物の国宝・重要文化財は2445件になる。
石清水八幡宮は平安時代の860年に創建。現在の本社社殿群は江戸幕府が1634年に建て替えた。文化庁は「古代の荘厳な形式と近世らしい装飾を兼ね備えた完成度の高い建築で、広く浸透した八幡信仰の象徴としても深い文化史的意義がある」と評価した。
旧網走監獄は刑の重い服役囚を収容した刑務所で、現在に残る建物は明治45(1912)年に再建された。明治期の木造監獄の数少ない保存例で、博物館として公開されている。刑務所の建物が重要文化財になるのは初めて。
このほか文化審議会は、国宝「龍光院書院」(京都市)の指定範囲の追加や、諏訪大社上社本宮(長野県諏訪市)の建物10棟を重要文化財に追加することも求めた。
文化審議会の答申内容は次の通り。かっこ内は所在地。
【国宝の新指定】石清水八幡宮本社・本殿など10棟(京都府八幡市)
【国宝の追加指定】龍光院書院(京都市)
【重要文化財の新指定】旧網走監獄・庁舎など3棟(北海道網走市)▽旧網走刑務所二見ケ岡刑務支所・庁舎など5棟(網走市)▽旧弘前藩諸士住宅(青森県弘前市)▽平井家住宅・主屋など6棟(岩手県紫波町)▽龍光院黒田家霊屋(京都市)▽養源院・客殿など4棟(京都市)▽戸田家住宅・主屋など8棟(徳島県上板町)▽竹林寺書院(高知市)
【重要文化財の追加指定】諏訪大社上社本宮・布橋など10棟(長野県諏訪市)▽龍光院・寮および小庫裏など2棟(京都市)
〔共同〕