家計金融資産、最高を更新 16年末1800兆円
日銀が17日発表した資金循環統計(速報)で2016年末の家計の金融資産残高は1800兆円となり、4四半期ぶりに過去最高を更新した。15年末と比べ0.9%(17兆円)増え、現在の統計で遡れる05年以降で過去最高となる。昨年9月末比では2.7%(47兆円)増。昨年11月以降に進んだ円安・株高で株式や外貨建て資産の評価額が膨らみ資産を押し上げた。
16年12月末の日経平均株価は1万9000円台と、9月末の1万6000円台から1割以上も上昇。15年12月末の水準も小幅に上回っていた。
資産別の内訳をみると、家計の投資信託は96兆円と前年同月末比で0.2%増加した。株式は167兆円と0.4%減ったが、2.1%減だった9月末と比べるとマイナス幅が縮まった。家計の現金・預金は1.8%増の937兆円となり、過去最高を更新した。
企業の金融資産も1101兆円と3.9%増え、過去最高を更新。このうち企業の現金・預金は7.5%増の244兆円。対外証券投資は39兆円と39.3%の大幅増となった。
海外投資家が持つ日本国債の残高は昨年末時点で113兆円と過去最高となった。国債の残高に占める海外勢の保有比率も10.5%と過去最高を更新した。