米国株、急反発 ダウ230ドル高で2カ月ぶり高値 英EU残留期待で
【NQNニューヨーク=古江敦子】23日の米株式相場は大幅に反発した。ダウ工業株30種平均は前日比230ドル24セント(1.3%)高の1万8011ドル07セントと、4月27日以来ほぼ2カ月ぶりの高値で終えた。上げ幅は3月1日以来の大きさだった。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票で残留支持が優勢になるとの期待が広がり、投資家心理が改善した。
朝方にEU残留支持が優勢との世論調査の結果が伝わった。世界景気への懸念や金融システム不安がやや後退し、投資家がリスクを選好する姿勢を強めた。最近まで売り圧力の強かったゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融株に買いが膨らんだ。
原油先物相場が節目の1バレル50ドルを上回って取引を終えた。石油のシェブロンやエクソンモービルなどエネルギー関連株の上昇も目立った。
新規株式公開(IPO)したソフト開発会社トゥイリオが、公開価格を大幅に上回って終えた。ベンチャー企業への旺盛な投資意欲が確認され、心理が改善した面もあった。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も大きく反発し、前日比76.722ポイント(1.6%)高の4910.041となった。
業種別S&P500種株価指数は「金融」「エネルギー」、「素材」など全10業種が上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約8億5000万株(速報値)、ナスダック市場は約16億9000万株(同)だった。
建機のキャタピラーやクレジットカードのビザ、半導体のインテルなどが上昇。最高経営責任者(CEO)の退任後の人事計画を発表した百貨店のメーシーズも上げた。顧客の口座保護に関する規制違反で米当局と和解の見通しが伝わった米銀大手バンク・オブ・アメリカが高く終えた。
一方、スポーツ用品のナイキが小幅安で終えた。前日に大きく下げた電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズに売りが続いた。コンサルティングのアクセンチュアは慎重な収益見通しを嫌気し売られた。