欧州中銀がマイナス金利拡大 0.3%に、デフレ阻止
【フランクフルト=共同】欧州中央銀行(ECB)は3日、ドイツのフランクフルトで理事会を開き、金融機関が余剰資金をECBに預ける際に手数料を課すマイナス金利の幅を今の0.2%から0.3%に広げることを決めた。9日から適用する。ユーロ圏の物価低迷に伴うデフレ懸念を解消するのが狙い。国債を中心とした資産を買って、資金を大量に供給する量的金融緩和の拡充も検討している。
米国の年内利上げ観測が強まる中でECBが追加緩和すれば、米欧の金融政策が正反対となり、市場の波乱要因となる可能性がある。日銀の政策判断にも影響しそうだ。
追加緩和は、デフレ阻止のほか、パリ同時多発テロに伴い消費が萎縮し、景気を圧迫しかねないとの懸念に対応する狙いもある。
ECBは今年3月、月600億ユーロ(約7兆8千億円)の資産の購入を開始。2016年9月末を終了のめどとしている。購入規模の拡大や期限延長のほか、買い取り資産の種類を広げることも検討している。
マイナス金利は企業や家計への融資を促すのが目的。主要政策金利は過去最低の0.05%に据え置いた。
ECBは圏内の物価上昇率見通しを下方修正する見込み。11月の消費者物価指数は前年同月比で0.1%の上昇にとどまり、目標である2%弱との開きが大きい。