短時間で無料配達も ネットスーパー賢く利用
「暑い中、乳児を抱えての買い物は大変なので、ネットスーパーはとても助かる」と言うのは、産後間もない東京都在住の主婦A子さん(35)。おなかが大きくなり重たい物を持ち運べなくなってから、ネットスーパーを使い始めた。「商品は店頭にある物と同じで価格も変わらない」と満足げだ。夏場は持ち歩きが心配な生ものやアイスクリームも安心して買える。
ネットスーパーが主に取り扱うのは生鮮品を含む食料品や飲料・酒類、日用品、衣料品だ。インターネット上で無料の会員登録をすると、最寄りの店舗が対応してくれる。ログインするたびに、その日に注文できる商品リストが表示され、配送はその店からという流れだ。同じスーパーチェーンでも店舗によって品目や配達時間帯、便数に違いが出てくる。12~20時を核に午前中や夜10時といった時間まで対応する店も多い。
2000年頃から大手で実験的に始まったネットスーパーはじわじわと浸透し、今では首都圏を地盤にするマルエツやサミットストアなどにも広がる。実店舗ではなくて物流センターから広域に配送するスーパーも登場。楽天が提供する「楽天マート」もその一つで、生鮮食品も取り扱っている。
西友の「SEIYUドットコム」では店舗とセンター、両方で対応している。センター配送では要冷蔵・冷凍食品は扱わない代わりに医薬品や大容量商品も販売する。一般に店舗からの配送のほうが注文してから届くまでの時間が短い。
ネットスーパーで気になるのは配達料だ。イオンやイトーヨーカドーの場合は税込み324円、商品購入額が同5000円以上だと無料になる。一方、西友はセンター配送のみの利用なら2138円以上で無料。実店舗を持たない楽天マートも無料ラインは3000円以上と大手スーパーより低い。さらに、4歳以下の子どもや65歳以上の高齢者がいる家庭には配達料を半額の162円にしている。
配達時不在の対応も気になる。商品を専用ボックスなどに入れて玄関先に置いておいてもらう「留め置き」が可能なスーパーもある。楽天マートの場合、月108円で鍵付きの宅配箱を利用することもできる。イオンは、盗まれる危険がないか店側が事前に場所をチェックしたうえで留め置きをする。
ネット購入でポイントが付くかどうかも要チェックだ。イオンは税込み200円ごとに「ネットWAONポイント」が1ポイント付与され、100ポイント単位で、実店舗でも使えるポイントに交換可能。西友の場合、SEIYUドットコムのサイトを共同運営するディー・エヌ・エーのポイント制に乗っかる形だ。DeNAショッピングと共通で利用できるポイントが200円ごとに1ポイント付く。イトーヨーカドーはサイト「セブンネットショッピング」からの利用なら「nanacoポイント」が108円ごとに1ポイント付く。
楽天マートも108円ごとに1ポイントの楽天スーパーポイント。「楽天市場」で人気のグルメやスイーツも1個単位で併せて注文できるのが好評だ。楽天スーパーポイントは1ポイント単位で「楽天Edy」へも交換できる。
ネットスーパーの利用は忙しい共働き世帯にとって時短術の一つ。自分のスタイルに合うか吟味して選びたい。
(福沢淳子)
[日経プラスワン2014年7月19日付]