セラミックの強度左右する特殊構造を発見 東北大
東北大の幾原雄一教授と王中長助教らは、セラミック材料の強度を左右する平面状の特殊な構造を発見した。セラミックの粒と粒の間にできる原子数個からなる構造で、これがあると安定度が2倍に高まり、壊れにくくなるという。高強度の電子部品材料などの開発に役立つとみている。英科学誌ネイチャー(電子版)に17日掲載される。
東京大と経済産業省所管のファインセラミックスセンターも研究に参加した。代表的なセラミック材料の酸化マグネシウムの構造を高性能な電子顕微鏡で観察。微量に含まれるカルシウムの原子3個とチタンの原子2個が、大きさ1ナノ(ナノは10億分の1)メートルほどの平面状の構造を形づくっているのを見つけた。
コンピューター計算でエネルギー状態を解析。今回発見した特殊な構造ができると割れの引き金になるエネルギーが半分程度に減り、壊れにくくなることがわかった。セラミックは半導体など電子部品や磁気ヘッドなどに使われており、強度の向上が課題とされる。