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亜鉛電池の電極、北大など開発 容量リチウム超え狙う

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北海道大学などの研究グループは安くて燃えにくい亜鉛電池の新しい正極材料を開発した。主流のリチウムイオン電池よりも多くのエネルギーをためられる可能性が出てきた。鉛蓄電池の代替や再生可能エネルギーで作った電気を貯蔵する用途など向けに2030年以降の実用化を目指す。

亜鉛電池は主要な部材に亜鉛金属を用いた電池だ。安くて燃えにくい利点がある。複数のタイプがあり、ニッケル正極と亜鉛負極を使うニッケル亜鉛電池は既に企業が事業化している。空気正極と亜鉛負極からなる亜鉛空気電池や、亜鉛を移動用イオンにも用いる亜鉛イオン電池が研究されている。今回の電極は亜鉛イオン電池に使う。

北大などは金属イオンをアルコールで還元する手法で亜鉛とマンガンの酸化物を合成した。この方法でつくる粒子は直径が約5ナノ(ナノは10億分の1)メートルと非常に小さい。イオンが材料全体に行き渡りやすい上、導電材料であるグラフェンとも複合化しやすくなった。

こうした特徴により、新電極は1つのイオンにつき2個の電子が反応できるために容量が高まった。従来の電極は1つのイオンにつき1電子しか反応しなかった。

亜鉛イオン電池は電解液に弱酸性の水溶液を用いる。リチウムイオン電池と異なり燃えやすい有機電解液を使わないために安全性が高い。電池が作動する電圧は1.8ボルトとリチウムイオン電池の半分程度だが、電極の容量が高いために両者のかけ算である重量当たりのエネルギー密度はリチウムイオン電池以上が見込める。

小さいボタン電池で耐久性を検証すると200〜300回充放電できた。電極の構造を改良すれば1000回以上も視野に入る。「最近、企業との連携も始めた」(北大の小林弘明准教授)といい、30年以降の実用化を目指す。

東北大学やカリフォルニア大学ロサンゼルス校との共同研究で、成果は「アドバンスト・ファンクショナル・マテリアルズ」誌に掲載された。

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