米ナスダック最高値 FRB利下げが支え、ダウは横ばい
【ニューヨーク=佐藤璃子】7日の米株式市場でナスダック総合株価指数は前日比285.99ポイント(1.5%)高の1万9269.46と3日続伸し、連日で最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数も最高値をつけた。米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げを決めたことが相場を下支えした。次期政権が減税や規制緩和を進めるとの期待感から引き続きテック株などに買いが入った。
ハイテク株比率が高いナスダックは終値で初の1万9000台を突破した。S&P500種株価指数は前日比44.06ポイント(0.7%)高の5973.10で終えた。ダウ工業株30種平均は大統領選の結果を受け前日に最高値を更新した後で、主力株に利益確定売りが出たことで前日比59セント安の4万3729ドル34セントで終えた。
いずれも大型テック株が相場の上昇をけん引した。個別銘柄ではインテルが5%高、アップルが2%高となった。
FRBが7日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の政策金利引き下げを決めたことも相場を支えた。2会合連続の利下げで、金融緩和が米景気を支えるとの観測が改めて意識された。
PNCファイナンシャル・サービシズ・グループのガス・ファウチャー氏は、予想通りの決定だったため市場に大きな影響を与えることはなかったとしながらも「声明文はインフレ緩和に関する文言が変更されるなど、前回会合と比べてややタカ派的な内容になった」と分析。12月のFOMCでも引き続き0.25%の追加利下げが実施されると予想する。
米長期金利の指標になる10年物国債利回りは、追加利下げ決定を受けて前日比0.10%低い(価格は高い)4.33%で終えた。一方で米大統領選で勝利した共和党のトランプ前大統領の唱える経済政策がインフレや財政悪化を招くとみて選挙前から長期国債の売りが続いており、長期金利は9月の利下げ前より0.7%ほど高い水準で推移する。
米銀ウェルズ・ファーゴの調査グループは7日付けのリポートで「トランプ次期政権が大幅な関税を課したりその他のインフレ政策を採用したりする場合は、フェデラルファンド(FF)金利は来年、4%に近い水準で底を打つ可能性がある」と指摘した。