シリアがイラク過激派空爆 米指摘、50人死亡情報
【ワシントン=共同】アーネスト米大統領報道官は25日の記者会見で、シリアのアサド政権が24日にイラク領内のスンニ派過激派「イラク・シリアのイスラム国」を空爆した可能性が高いとの見方を示した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、地元当局者らの話として一般市民を含む50人が死亡したと報じた。
イラクの混乱をめぐっては、シーア派国家イランも革命防衛隊を送り込むなどしてシーア派のマリキ政権を支援しているとされ、シリア、イラン両国の"イラク介入"による混乱拡大が懸念されている。
「イスラム国」はシリア内戦で反体制武装勢力として台頭した。アーネスト氏はアサド政権が空爆したとの見方について「異論をはさむ理由はない」と表明。「アサド政権の介入では、イラクが直面する脅威は解決できない」と述べ、シリアをけん制した。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、24日の空爆による負傷者は130人以上。死者数が増える可能性もある。行政庁舎や市場、銀行が被害を受けたという。
一方、米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者の話として、イランが無人偵察機を飛ばしたり、大量の軍事物資を供給したりしてマリキ政権をひそかに支援していると報道。ケリー米国務長官は25日の記者会見で「(シーア派とスンニ派の)宗派対立を悪化させかねない」と懸念を表明した。
ロイター通信によると、「イスラム国」主体の武装勢力は25日、イラク北部の主要都市ティクリート近郊にある小規模な油田を攻略した。