秘密情報保護協定の締結で合意 日英首脳会談
【ベルファスト=永沢毅】安倍晋三首相は17日、英国のロックアーンでキャメロン英首相と約50分間会談し、軍事機密など秘密情報の保護協定の締結で合意した。防衛装備品の共同開発では、第1弾として有害物質から身を守る化学防護服の性能評価に関する研究を進める方針を確認した。
情報保護協定の締結は米国、オーストラリア、フランス、北大西洋条約機構(NATO)に続いて5件目で、軍事に絡む機密情報をやり取りする際に厳重管理を求める。テロ対策の情報交換や防衛装備品の共同開発・生産が進めやすくなる。
安倍首相は「安全保障・防衛協力を深化させるため、今後のハイレベル対話のあり方を工夫したい」と提案。キャメロン首相も賛成し、将来の外務・防衛担当閣僚級協議(2プラス2)の創設を視野に協議に入る。キャメロン首相は北朝鮮による拉致問題で日本の立場への支持を表明した。
経済政策では、安倍首相が日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉の早期締結に協力を求め、キャメロン首相は「日本とEUのEPAを最も強く支持している」と応じた。
安倍首相は「日本経済への期待を確信に変えたい」と安倍政権の成長戦略などを説明。キャメロン首相は「経済再生の取り組みを高く評価している」と支持を伝えた。日英首脳会談は昨年末の安倍首相の就任後初めて。