東急電鉄が渋谷川を再生 渋谷駅南側、憩いの場に
東京急行電鉄は渋谷駅南側の再開発に合わせ、渋谷川を人々が憩える水辺に再生する。現在の渋谷川は雑居ビルや東急東横線の線路に挟まれて人が立ち寄れず、水質も悪い。東急電鉄など地権者が老朽化した川沿いのビルを撤去して広場や遊歩道を設ける。東京都と連携して川の水質も改善して「オアシス」をつくり、渋谷駅南側の街を活性化する。
3月16日からの東京メトロ副都心線との相互直通運転で、東横線・渋谷駅が地下に移るのに伴い、駅南側を再開発する。東横線の線路も隣駅の代官山駅まで地下でつながる。渋谷駅から「並木橋」交差点あたりまでの渋谷川沿い、距離にして約600メートルの線路跡地に広場や遊歩道を設ける。
渋谷川は昭和時代初期は清流だった。都市開発で北側の上流が暗渠(あんきょ)になって下水道に転用されたため、現在の渋谷川は渋谷駅地下を起点に並木橋交差点あたりまで川水がほとんど流れず、雨水がたまっている状態だ。ドブのように水質も悪い。渋谷川沿いにぎっしりと並ぶ雑居ビル群は、川に背を向けて建っている。
再開発後は東急電鉄と都などが協力し、下水を浄化した水を渋谷駅近くから下流に向けて流すようにする。整備した護岸の壁面からシャワーのように水が噴出するようにし、潤いの空間を演出する。現在は両岸とも人が歩くスペースはほとんどないが、遊歩道を設けてにぎわいを創出する。完成は2017年度の予定だ。
渋谷駅南側の大通りに面した再開発地では、地上33階、高さ180メートルの高層ビルを建てる。上層階はオフィスで低層部はホテルにする。様々な新しい文化を発信してきた渋谷の特性に合わせて、映像関係のクリエーターやデザイナーなどを支援するSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)やセミナー会場などを設ける。
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