医師による安楽死認めず 英最高裁が判断
【ロンドン=共同】重度の身体障害がある英男性2人が、医師が安楽死の処置を施しても殺人罪に問われないよう求めた訴訟で、英最高裁は25日、訴えを棄却した。英メディアが伝えた。
訴えていたのは、交通事故で半身不随となったポール・ラムさんと、脳卒中により首から下がまひしたトニー・ニックリンソンさん(故人)。ニックリンソンさんは2012年に病死し、妻が訴訟を続けていた。
一部の裁判官は一方で、安楽死の禁止は個人の生活を尊重する権利に矛盾しているとの判断も示した。
英メディアは「安楽死を禁止する現行法の改正に向けて政府が行動する必要性を示したもの」と受け止めており、法改正に向けた議論が今後活発化する可能性がある。
安楽死は条件付きを含めると、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイスなどで認められている。