微量の除草剤、雑草の成長早める 奈良先端大が発表
奈良先端科学技術大学院大学の梅田正明教授らは、微量の除草剤の散布だと雑草の成長を早めてしまうことを見つけた。実験では、植物の成長に関係するホルモンの量が増えていた。米科学誌プロス・バイオロジーに10日発表した。
梅田教授らは、植物の実験でよく使うシロイヌナズナに、芝生用除草剤の成分であるカフェンストロールを吸収させた。この成分は植物の表面を保護する物質をつくりにくくすることで、芝生以外の雑草を枯らす。
適正な使用量の100分の1以下では、普通に育てた場合に比べて葉の大きさは1.3倍になった。
今回のようにごく微量の除草剤だと、葉の表面を保護する物質が少ないながらつくられる状態を保つため、枯れないことがわかった。この状態で、成長にかかわるホルモンが増えるため、葉が大きくなったとみている。