麻生氏がゴルフ会員権購入 大臣規範に抵触
麻生太郎副総理兼財務相が、在任期間中のゴルフ会員権取引の自粛を定めた大臣規範に抵触し、昨年の任期中に会員権を購入していたことが3日公開の資産補充報告書などで分かった。麻生氏の事務所は取材に「自粛すべきだった。率直におわびする」と答えた。購入額や詳しい経緯は明らかにしていない。
規範は2001年に閣議決定された閣僚と副大臣、政務官の行動規律。関係業者からの供応接待や営利企業の役員兼職などを禁じるほか、任期中の株式や不動産、ゴルフ会員権の売買自粛を定めている。罰則はない。
報告書や事務所によると、麻生氏は昨年、ゴルフ場「福岡カンツリー倶楽部」の会員権を購入した。理由を「(麻生氏は)知人に頼まれて購入した。投機目的ではない」と説明。この知人に売り戻す手続き中で「利益は生じない」としている。
麻生氏は自民党が政権復帰した12年12月から副総理兼財務相を務めている。自身が首相だった09年に当時の平田耕一財務副大臣が、かつて社長を務めた企業の株を大量に売却していたことが判明。規範抵触が指摘され、国会が紛糾するなどしたため辞表を提出、麻生氏が了承した。
慶応大の小林良彰教授(政治学)は「利益は得ておらず悪質とまでは言えないが、政権のナンバー2が倫理規定とも言うべき規範に抵触していたのなら問題だ。政権が長く続き、閣僚に気の緩みがあるのではないか」とし、改めて規範順守を徹底するよう促している。〔共同〕